介護離職をする人が急増!?正社員で再就職できる人は半数?

介護離職をする人が急増!?正社員で再就職できる人は半数?

介護離職が理由で退職する人が増加しています。その理由は、仕事と介護の両立が難しいことや介護者への理解が広まっていないことが挙げられます。それでは、介護離職者は再就職できるのでしょうか?この記事では、介護離職について紹介していきます。


親が家族に介護が必要な状況になったらどうしよう、と不安な気持ちを抱える人は少なくありません。今の時代、介護しながら仕事を続けて疲労困憊している社会人は多く、最終的に介護のために離職せざるを得なくなってしまう状況も多々あります。


今回は、介護離職のメリットデメリット、さらに再就職についてのお話です。これからご自身が介護をしなければならない立場になる可能性のある人に知っていただきたい情報がたくさん詰まった内容です。ぜひ参考にしてみてくださいね。

介護離職をする人が急増

介護のために仕事を辞める、いわゆる介護離職をする人の割合は近年どんどん増えています。介護離職をする人の多くは、仕事と介護の両立を目指していたと考えられますが、現実問題その両立はやはり難しく、介護を優先するために仕事から離れる決断に踏み切っています。ここでは、介護離職の現状について説明します。

40代で介護離職する人が増える

介護離職する人の中でも特に多いのが40代の人たちです。40代と言えば働き盛りですが、一方で両親も高齢になり、介護が必要になってしまう状況になることが多いのもこの頃です。


そのため、40代から介護離職率は急増し、多くの人たちがキャリアをあきらめ介護に専念する道を選んでいます。


また、介護者と要介護者は同居しているケースが半数以上と言われています。つまり、一緒に住んで親もしくは家族の介護をするために退職するという選択肢を選ぶケースが多いことが分かります。

介護を始めた人のうち4割が離職している

介護と仕事を両立し、なるべくなら両方をうまくこなしたいと懸命に努力していても、結果的にその4割は離職しています。介護にとられる時間は思いのほか長く、さらに体力までを奪われてしまうため、仕事との両立がしづらくなってしまうケースは少なくありません。


介護をしている人たちの中で、仕事を持っている人の割合は6割程度。この人たちが、介護と仕事の両立を目指して奮闘しているわけですが、この内の半数近い4割の人たちが離職しているデータを見る限り、やはりその両立は非常に厳しいものと考えられます

正社員として再就職できるのは半数

過酷な現実を突きつけるようですが、介護離職した人が再就職をする割合、さらにそれが正社員であるケースは約半数と言われています。つまり、正社員として再就職できずに、以前よりも悪い条件で社会復帰している人が世の中にはたくさんいることになります。


例えば、正社員として長く働いてきた末に介護離職をしたとしても、再就職の際にはパートやアルバイトという雇用体系でしか仕事を見つけられないケースがとても多く、これは当然収入にも大きな影響をもたらします。


介護離職から再就職する際に、以前と変わらない条件で就職することがこれだけ難しいとなると、介護離職に踏み切るのは非常に勇気のいる決断となるでしょう。果たして介護離職自体が理にかなっているのか、しっかり考えなくてはなりません。

介護離職が増えている理由

仕事を辞めてしまうことは簡単な決断ではありません。しかし、介護離職する人は増え続けています。なぜ介護離職がこれほどまでに増えてしまっているのでしょう。ここでは介護離職を決める大きな3つの理由について紹介します。

仕事と介護の両立は負担が大きい

介護離職を決める人の多くは、仕事と介護の両立ができないと判断しています。毎朝要介護者の介護をしてから出勤し、仕事を終えて帰宅してから再び介護に戻るとなると、当然体力的な負担がまず大きくなってしまいます。


このような生活を続けていくうちに、自分自身の時間をまったく持てなくなり、精神的なストレスも尋常ではないレベルに達してしまうことがあるでしょう。こうなってしまうと、仕事をこれまで通り続けることは非常に難しくなります。その結果、両立はできないと判断して介護離職を決めてしまうのです

会社に介護者を補助する制度がないから

介護離職者が増加する一方で、国はこれを防ぐためにさまざまな制度を設けています。その内容に関しては後ほど詳しくご説明しますが、いくら国が制度を設けていても、それを会社がどう扱うかが現実問題とても重要です。


結局は、介護に関わる休業制度や休暇制度を利用する権利を訴えたところで、会社側がそれに不満を示せば介護者としては結局その制度をうまく活用することができないままに離職に追い込まれてしまいます。会社に介護者を補助する制度があればまったく状況は変わるはずですが、現状ではまだまだ浸透しているとは言い難いでしょう。

自宅で介護に専念したい人が多い

大切な親や家族の介護となると、やはり自宅でしっかりと専念できる状況に身を置きたいと考える介護者は多いです。仕事を続けるとなると介護に専念するのは難しく、そばにいて挙げられない時間が多くなるため仕事にも集中できず介護も半端になってしまうというどっちつかずの状況になるケースが多いのが現実です。それなら仕事を辞めて介護に専念しよう、と考えて介護離職を選んでしまうのも頷けます。

介護離職をすることのメリット

実際に介護離職をすることで、どのようなメリットが得られるのでしょう。ここでは介護離職の具体的なメリットを2つ紹介します。

介護に専念できる

介護離職のメリットは、介護者側の負担の軽減が一番に挙げられます。介護しながら仕事を続けるのはとても大変で、体力的にも精神的にも負担が大きくなってしまいます。


介護離職をしてしまうことで、仕事のことを考える必要がなくなるため、介護に専念できるというのは最大のメリットと言えるのではないでしょうか。


介護者が要介護者の希望通りの介護が行えるのも、介護離職をしたからこそです。要介護者が必要とするときに、必ずそこに自分がいてあげることで、介護の質も要介護者の満足度も上がります。これは仕事と介護を両立しているうちは実現することが極めて難しい点です。

自宅介護をすれば経済的に安く済む

自宅で介護に専念するケースは多いですが、これにより経済的な負担を軽減できるケースも少なくありません。自宅で介護することにより、要介護者の自宅に通う手間が省けます。それには時間的な負担や経済的な負担もあるでしょう。


さらには、要介護者の状況によっては仕事をしている間にヘルパーなどを利用し、一時的に要介護者のお世話を外注しているケースもあります。介護者が介護離職をすることで、その必要がなくなり経済的な負担が大きく削減できることもあるでしょう。自宅介護により経済的な負担を減らせる点も、介護離職のメリットのひとつです。

介護離職をすることのデメリット

一方で、介護離職をすることのデメリットについても気になるところ。介護離職をすることで、今までよりも状況が悪くなることがあるのなら、その点についても介護離職に踏み切る前に知っておかなければなりません。ここでは代表的な介護離職の2つのデメリットを紹介します。

精神的、身体的疲労が増える

介護離職をすることで負担が軽くなるだろうと考えている人は多いものの、現実はそうならないケースがあります。介護は精神的に負担を感じることが多いため、仕事との両立を辞めれば介護に専念できて気持ちが楽になると思っても、結果的に負担が増えてしまう場合があるのです。


これには、介護離職をして仕事を辞めてしまったことにより、収入が減り金銭面での不安を抱えることが関係しているケースが多いです。


また、介護に専念できるのはメリットでもありますが、裏を返せば「毎日が介護で終わってしまう」とも言えます。これにより気分転換ができずに介護者のストレスがどんどん溜まってしまうこともよくあります。


さらには、一日中介護に費やすとなると、その体力的な負担も相当なものです。仕事を辞めれば楽になると思いきや、逆に負担が増えてしまうというケースがあることを知っておかなければなりません。

社会復帰が難しくなる

先ほども申し上げた通り、介護離職をした人がまた社会復帰する際に再就職が難しいという点もデメリットのひとつです。毎日仕事に明け暮れていた働き盛りの人でも、しばらく社会から離れていると再び会社員として社会に戻るのは容易ではありません。


それに加え、再就職先を探す際にも希望する条件に合った就職先が見つからないことが多く、この点が非常に大きなストレスとしてのしかかってくることは多いものです。


また、一旦介護に専念するとその期間はかなり長いものになる傾向があるため、再就職を探す段階には年齢も重ねてしまいます。これによりさらに再就職を探すのが難しくなり、なかなか社会復帰ができず悩む人は少なくありません

介護離職をしないためにできること

介護離職が間違っているとは言いませんが、介護のためにこれまで積んできたキャリアを失ってしまうしかない状況に追い込まれることは決して望ましいとは言えません。介護離職をしないで、介護と仕事を両立させるためには一体どうすれば良いのでしょうか。ここでは介護離職をしないためになにができるのかについて考えてみましょう。

介護休業・休暇制度を利用する

実は、国は介護離職ゼロを目指すべく介護支援制度を設けるなど様々な工夫をしています。例えば「介護休業制度」は、年間93日間を限度とした介護のための休業を認める制度です。また、「介護休暇制度」は有給休暇と別に年間5日間の休暇を取ることができ、これは単発(1日や半日)で利用できる制度です。


これらの制度はあまり知られていませんが、うまく活用すれば仕事と介護を両立する際にとても役に立つ制度です。会社側は、これらの制度の利用を推奨し社員が介護を理由に離職する必要がないようにサポートするべきですが、これに関してはまだまだこれからといったところでしょうか。


現状、積極的に介護支援制度を取り入れようとする企業はそれほど多いとは言えません。しかし、労働者の権利として介護支援制度は存在するわけですから、これらをうまく利用して離職することなく介護が続けられる環境を作れるといいですね

勤務時間短縮制度を利用する

要介護状態の家族を介護するためには、やはりフルタイムの勤務は難しくなるでしょう。そのことを考慮し作られたのが「勤務時間短縮制度」です。これは、会社は労働者が希望した場合には介護のための時短勤務を認めなければならないという制度です。


時短勤務は週もしくは月の労働時間を短縮することを指し、これにより介護にもっと時間を割くことを可能にするのが目的です。フルタイムで勤務しながらの介護は精神的にも身体的にも大きな負担になりますが、時短勤務ができれば、その負担は間違いなく軽くなり介護離職を選択せずに済む可能性が高くなります。

介護休業給付金を受ける

介護休業給付金とは、要介護の家族がいる場合に通算93日まで支給される給付金のことです。介護休業制度を利用し、最大93日間の休業をした場合にも給付金が支給されるため、この間の収入を心配する必要がなくなります。


支給額に関しては、ハローワークに提出する雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書により決定されますが、目安として平均月額が30万円程度の場合には月額20.1万円程度の支給額になるため、これがあるとないとでは大きな違いとなるでしょう。

親戚や知人に手伝ってもらう

介護疲れでストレスが溜まり、それが原因で精神的に調子を崩してしまう人は多いです。これを防ぐためには、周りに助けを求めること。「ひとりじゃない」と思えば介護も楽に感じられるものです。


辛いときには周りに相談しましょう。介護そのものを手伝ってくれる人がいればそれほどありがたいことは他にありません。しかし、介護は精神的な負担が大きいものなので、精神的な負担を減らすために話せる相手がいればそれだけでもかなり気持ちが軽くなります。


介護に関しては身内のことになるため、なかなか他人に話せないと感じるところもありますが、心を許せる親友に話を聞いてもらうことで驚くほど心が癒されることもあります。大切なのは、ひとりで溜め込まず周りに助けを求める勇気を持つことです。

再就職のための勉強をする

介護離職をせずに介護と仕事を両立できればいいのですが、もし、介護離職をしたときに備えて、資格を取るなどして準備しておくことも重要です。万が一介護離職をしてしまっても、その先の再就職時に困ることがないように先手を打っておくことで自分自身も安心できます。


再就職のときにスムーズに再就職先が見つからないのは、これまで仕事をしてきた経験以外で自分自身の価値を証明できるものを持っていないことが原因になっているケースが多いです。再就職でも上手く立ち回れるよう、介護離職時に備えておきましょう。

まとめ

大切な家族が要介護状態になってしまったら、やはりその介護には100%で望みたいところです。しかし、その一方でこれまで通りに仕事に打ち込めないストレスは募っていくものです。


上手く両立することができず介護離職を選択する人は世の中にたくさんいますが、これを未然に防ぐ方法はあります。また、仮に介護離職してしまった際にもその後で再就職できるようにあらかじめ準備しておくことも可能です。


先の先までを考えて、様々なケースを想定して備えておくことで、あなた自身も安心して介護に打ち込むことができるでしょう。

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