退職慰留とは?退職を引き止められた時はどう対処すれば良い?

退職慰留とは?退職を引き止められた時はどう対処すれば良い?

退職慰留をされたことはありますか?退職はネガティブな意思決定であることから手続きでトラブルが起きてしまうことは少なくありません。それでは、退職慰留をされないためにはどのように退職の申し出をすれば良いのでしょうか?また、退職慰留された場合はどのように対処すれば良いのでしょうか?


退職慰留とは?

会社側が退職を引き止めること

そもそも退職慰留はどういう意味なのでしょうか?


慰留とは「退こうとする人をなだめて思い留まらせる」という意味です。そのため、退職慰留は「会社を退職しようとしている人を、会社がなだめて思いとどまらせる」ことという意味になります。

会社が退職慰留をすることには理由があり、社員の退職を思いとどまらせることで、会社に残って仕事を続けてもらおうとするのです。 今回の記事では、会社が退職慰留をする理由や、退職慰留をされないポイント、退職慰留をされた時の対処法について詳しく解説します。

労働者には退職する権利がある

退職したいという意思を上司に伝えると、「就業規則で決まっているから、あと3ヶ月は働いてほしい」と言われる場合もあるようです。


しかし、民法627条では「契約期間が定められていない正社員の場合、2週間前までに退職する意思を伝えれば退職できる」と定められています。つまり、労働者には退職する権利が法的に定められており、法律の範囲内で自由に退職ができるのです。

そのため、2週間前までに退職の意思が伝えられたのであれば、会社としては退職慰留できないということになります。

退職慰留をする理由

会社が社員の退職慰留をすることには、主に3つの理由があります。

人手不足だから

まず1つ目の理由は、人手不足だからです。少子高齢化が進み、労働生産人口が減少傾向となっている日本では、労働者を確保することが難しくなっています。


そのような社会的背景の中で、せっかく育てた社員を退職させてしまっては、事業の正常な運営が難しくなることや、新たな人材を確保して仕事ができるように育てるのも困難です。

そのため会社は、少しでも多くの人材を確保しておきたいと考えるため、社員の退職慰留をします。

優秀な社員だから

会社が社員の退職慰留をする2つ目の理由は、優秀な社員だからです。


優秀な社員は、仕事で多くの成績を上げることができるので、会社の利益を上げるために、重要な存在になっています。また、優秀な社員は会社にとってかけがえのない存在であることが多いので、新たな人材を雇用したとしても、優秀な能力が保証できるとは限りません。

優秀な社員は、仕事の成績のみでなく、人材育成やチームの士気を高めるムードメーカー的な存在としても会社に貢献している場合が多いので、会社は優秀な社員に退職慰留することで、何としてでも会社に残って欲しいと思いでしょう。

後任の社員が見つかっていないから

会社が社員の退職慰留をする3つ目の理由は、後任の社員が見つかっていないからです。

社員が退職してもらうことにより、会社は新たに求人を出すことで、社員の補充しなければなりません。しかし、先ほども解説したように、日本の労働生産人口は減少してきているので、優秀な社員どころか、求人に応募してくる人すらいない可能性があるのです。

人手不足が慢性化すれば、残された社員にかかる負担も増えてしまうため、それらの社員は消耗してしまい、さらに退職者が増えるという悪循環になってしまいます。これでは事業が成り立たなくなってしまうので、会社は少しでも多くの人材を残しておこうと、退職慰留するのです。

退職慰留をされないポイント

ここまで解説してきた理由から、よほど必要ない人材ではない限り、会社は退職慰留することで、何としてでも社員の退職を引き止めようとするでしょう。退職慰留をされずに退職するためには、3つのポイントがあります。

繁忙期以外の時期に退職する

まず1つ目は、繁忙期以外の時期に退職することです。繁忙期は会社にとって稼ぎ時であり、多くの人手を必要としています。そのような時期に退職されては、業務が回らなくなってしまい、会社の利益も落ちてしまいます。

それに対して、繁忙期以外の時期であれば、業務が落ち着いており人手が充足している場合もあるので、これらの時期に退職意思を伝えれば、退職慰留されずに退職できるかもしれません。

退職日の1ヶ月以上前に上司に相談する

退職慰留をされないための2つ目のポイントは、退職日の1ヶ月以上前に上司に相談することです。

民法上は、退職の2週間以上前に退職の意思を伝えれば、退職することができると定められています。しかし、退職の2週間前に退職の意思を伝えると、仕事の段取りや割り振りを急いで修正しなければならないため、会社にとって大きな負担になってしまいます。

そのため、退職日の1ヶ月以上前に上司に相談することで、退職する社員の引き継ぎや業務の割り振りなどを、ある程度余裕を持って行うことができるため、退職慰留をされない可能性が高くなります。

転職先を決めておく

退職慰留をされないための3つ目のポイントは、転職先を決めておくことです。

退職する意思を会社に伝える際に、すでに転職先を決めており、転職する理由を明確に会社に伝えることができれば、会社も退職慰留しにくくなります。

その際、「違う場所で自分自身をスキルアップするため」や「転職先でしかできないことがある」のように、今の会社に残っていても実現できないことが理由になっていると、より退職慰留しにくくなります。

気をつけておきたいのが、退職の意思を伝えた時に、すでに転職先で内定を取ることです。会社が退職を認めていないにも関わらず、他社で内定を取っていると分かったら、会社側も良い気分がしないでしょう。角を立てることなく円満に退社するためにも、なるべく会社側に配慮して退職を伝えておきたいものですね。

退職慰留された時の対処法

会社を退職しようと思っても、社員が会社にとって必要な人材だと思われていれば、会社は退職慰留するでしょう。それでも会社を退職したいと考えている場合の対処方法は4つあります。

会社側が引き止めにくい退職理由を伝える

まず1つ目の対処方法は、会社側が引き止めにくい退職理由を伝えることです。あなたが退職したい旨を伝えれば、会社側は必ず退職理由を聞いてくるので、会社側が引き止めにくい退職理由であれば、退職慰留しにくくなるでしょう。

具体的には、結婚や出産により転居しなければならないということや、親の介護に専念しなければならないこと、実家の家業を継がなければならないことや、自分自身の健康状態の悪化といった個人的な事情によるものであれば、会社側も退職慰留しにくくなります。

人事に退職相談をする

退職慰留された時の2つ目の対処法は、人事に退職相談をすることです。

会社の上司に退職を相談しても、自分の部署から人員が減ることを避けたいがために、退職慰留をして社員の退職を強く引き止めるでしょう。このような状況になった場合、異なる部署である人事に相談をすれば、客観的に退職を検討してくれる可能性が高いため、上司も退職慰留しにくくなるでしょう。
 

退職が決定すれば、退職に関する手続きも人事部と一緒に進めていくことになるので、より退職がスムーズに進む可能性も高くなります。 人事の職員であれば、労働基準法や民法、就業規則など、雇用契約に関する知識が深いので、よほどのことがなければ退職慰留されずに済むでしょう。

内容証明郵便を利用する

退職慰留された時の3つ目の対処法は、内容証明郵便を利用することです。

内容証明郵便は普段使うことがないので、あまり馴染みがないかもしれませんが、内容証明郵便を利用すれば、どの宛先に対して、いつ誰がどのような内容の文書を送ったのかという証拠が残ります。 


そして、内容証明郵便で送る文書は、退職願ではなく「退職届」にしなければなりません。退職届を会社に送ることで、あなたが退職するという意思を伝えれば、民法上は「退職の意思を伝えた2週間後に退職できる」ことになるため、会社は退職慰留できないことになります。

退職願を送ってしまった場合は、退職しても良いかを会社に伺っただけになってしまうので、注意しておきましょう。

退職代行を利用する

退職慰留された時の4つ目の対処法は、退職代行を利用することです。

退職代行は、あなたの代わりに退職に関する手続きを代行してくれるサービスです。退職代行サービスの担当者は、もちろん退職のプロなので手続きをスムーズに進めてくれます。


あなたが会社と直接やり取りすることなく、会社から退職慰留されずに退職することができるでしょう。

また、弁護士が担当してくれる退職代行業者もあるので退職する際によく発生する問題である、有給休暇の消化や仕事の引き継ぎ、私物を引き取ったり離職票を発行するといった様々な手続きを、あなたに有利になるよう進めてくれるので、泣き寝入りすることなく会社を退職できます。

あなたが会社を退職することで、会社に損害賠償を請求されるといったケースもあります。退職代行サービスの中には、このようなトラブルに対して弁護士が対応してくれるところもあるので、1人で悩むことなく退職できるのです。

退職慰留に応じてしまうデメリット

もし、会社の退職慰留に応じてしまうと、3つのデメリットが生じます。

出世コースから外れる

まず1つ目のデメリットは、出世コースから外れてしまうことです。退職慰留に応じてしまい、一旦は退職する意思を伝えたものの、それを撤回するということは、 会社側は再び会社を退職するリスクが高い社員だと認識するでしょう。

そのような社員を会社の重要なポジションに配置しようと考えるでしょうか?会社の重要なポジションに配置する社員は、それなりに実績と信頼が積み重なっている社員です。そのような社員には重要な仕事や責任を与えることが多いので、途中で投げ出して退職されてしまっては、会社にとって大きな損失になってしまいます。

「将来は出世して責任のあるポジションにつきたい」という人や、「出世して収入を増やしたい」と考える人にとっては、退職慰留に応じることで、出世の道が遠くなってしまう可能性が高いです。

以前のような人間関係を保てない

会社の退職慰留に応じてしまう2つ目のデメリットは、以前のような人間関係を保てないことです。


一度は会社を離れる事を決意したので、他の社員からの信頼を失っている可能性があります。会社で仕事を円滑に進めていくためには、職員同士の信頼関係が不可欠なので、それが崩れてしまっていては、今まで通りスムーズに仕事を進めづらくなってしまうでしょう。

また、仕事以外でもプライベートで付き合いのあった社員とも気まずくなってしまい、飲み会に誘われなくなったり、世間話にも入りづらくなるかもしれません。そのような状況になることを覚悟してでも退職慰留に応じるかどうかを、よく考えてから決断しましょう。

退職慰留の条件を守ってもらえない

会社の退職慰留に応じてしまう3つ目のデメリットは、退職慰留の条件を守ってもらえないことです。

社員が会社にとって必要不可欠な存在であり、会社がどうしてもその社員に退職してほしくくて退職慰留していたとすると、その社員は退職慰留に応じるために、ある程度有利になる条件を提示することも可能です。

会社側は、社員の退職慰留に応じるために、一度は条件を受け入るかもしれませんが、退職慰留に応じた後に、必ずしもその条件が反映されるとも限りません。それは、社員を少しでも長く会社に在籍させるための口実によるものかもしれませんし、その社員を退職慰留したからといって、会社の業績が上がらず、結果的に思い通りの条件にできないからかもしれません。

退職を引き合いに出して会社と交渉する場合は、慎重にかけ引きをする必要があります。

まとめ

今回の記事では、会社が退職慰留をする理由や、退職慰留をされないためのポイント、退職慰留をされた場合の対処方法について解説しました。

退職したいという意志が固い場合は、退職慰留されないためにも、今回解説した内容を参考にして会社に退職したいという意思を伝えましょう。就職したいという意志が中途半端な場合は、会社の退職慰留に応じてしまい、結果的にデメリットが生じてしまう場合もあるので、注意しましょう。

この記事のライター

新卒で入社した会社を8ヶ月で退職しました。
経験者だからわかる退職ノウハウを書きます!

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