有給を使い切るのは良くない?使いにくい雰囲気の原因と対処法

有給を使い切るのは良くない?使いにくい雰囲気の原因と対処法

有給休暇を使い切ると、会社からの評判が下がったり、同僚や上司から嫌われてしまわないか心配で全て使い切る勇気が出ない人は少なくないでしょう。しかし、せっかく仕事を休むことができる権利を放棄してしまうのは勿体無いですよね。この記事では、有給を使い切ることの是非について説明します。


有給を使い切っても良いのか?

有給は労働者に与えられた権利

まず最初に伝えておきたいことは、「有給は労働者に与えられた権利である」ということです。つまり有給は、会社が労働者に対して与えるかどうかの権限を持っているのではなく、労働者自らが申請することで取得できるという権利なのです。


有給は正式には「年次有給休暇」といって、労働基準法の第39条に定められており、入社日から6ヶ月が経過しており、かつ定められた労働時間の8割以上勤務していれば、誰でも取得できることになっています。

そのため、条件を満たしている労働者から有給取得の申請があった場合、会社は基本的に申請を拒否することができず、その人に対して有給休暇を与えなければならないのです。


有給を使い切らないのは損をしている

与えられた有給休暇をすべて使い切ることを躊躇する社員も多いですが、有給休暇を全て使い切らないのは、損をしていることになります。しかし、厚生労働省が平成30年度に発表した「就労条件総合調査」の結果では、日本人の有給休暇の取得率51.1%となっており、多くの社員が有給休暇を使い切っていないことが分かりました。

つまり、多くの労働者が有給休暇を全て消化できず、損をしているのです。有給休暇を使い切っていないということは、残った有給の日数を次の年に繰り越していることになります。

とはいっても、有給休暇の時効は2年とされているので、3年以上前に残っている有給休暇は消滅してしまうのです。有給休暇を使い切らないことで、給与をもらいながら取得できるはずの休暇を消滅させてしまっているため、結果的に損をすることになります。

有給を使い切ることができない原因

有給を使い切ることができない原因は、主に5つあります。

有給を使い切れないほど仕事を与えられている

まず1つ目の理由は、有給休暇を使い切れないほど仕事を与えられているからです。

少子高齢化が進み、労働生産人口が減ってきていることによって、多くの会社が人員不足になっています。


そのため、そのような会社は限られた人数で業務を回し、利益を出していかなければならくなり、従業員1人あたりが負担する業務の量が多くなっているのです。ギリギリの人数で業務を合わせている職場であれば、欠員が1人出るだけで他の社員にかかる負担が大きく増えてしまいます。

よって、限られた人数で業務を回すためにも、会社や周りの同僚に配慮することで、有給休暇を使い切らずに業務に専念する人が多くなってしまうのです。

有給休暇明けの業務が辛い

有給を使い切ることができない2つ目の原因は、有給休暇明けの業務が辛いからです。先ほども解説したように、多くの企業は人員不足に陥っているため、限られた人数で業務を回しています。

また、1人あたりの仕事量も多いので、有給休暇を取得することで仕事がたまってしまい、有給休暇明けの業務量が通常以上に多くなってしまうこともあるのです。もちろん、欠員が出れば他の社員で協力して業務を回すことができれば良いのですが、人員不足の会社では、他の社員も今これ上負担できないほどの仕事を抱えていることが多いです。

そのため、休暇を取得した人の仕事を、他の社員が引き受けられない状況になっているのです。そして、「休暇を取得することで自分や同僚の仕事の負担が増えるのであれば、有給休暇を取得しない方が楽だ」と考えるようになり、結果的に有給休暇を使い切ることができなくなるのです。

有給申請をしても却下される

有給を使い切ることができない3つ目の原因は、有給申請をしても却下されるからです。有給休暇は、従業員が申請すれば好きな時に取得できる休暇ですが、繁忙期など忙しい時期に有給取得を申請されると、会社側からすれば、「できればその時期は取得を避けてほしい 」と考えるでしょう。


また、会社によっては、「有給休暇は許可制だから申請を認めない」、「うちには有給休暇がないから取得できない」、「よほどの理由がない限り有給休暇を与えられない」と言う場合もあるようです。 


有給休暇は、「労働者が休暇を取得する前日までに申請すれば取得できる」と労働基準法で定められているので、会社は有給休暇の申請を基本的には拒否できません。しかし、様々な理由をつけられて有給休暇の取得を認められず、泣き寝入りする社員も多いのが現状です。

有給申請をさせない雰囲気がある

有給を使い切ることができない4つ目の原因は、有給申請をさせない雰囲気があるからです。会社によっては、「有給」という言葉を出すこと自体が御法度になっているところや、そもそも有給という概念がないことすらあります。

また、有給休暇どころか、体調不良で仕事を休んだ社員に対して、陰口やハラスメントを行うなど、仕事上不利になる立場に追いやっていく会社もあり、これでは有給休暇すら取りづらくなってしまいます。

それによって、多くの社員が有給休暇を取ることに引け目を感じてしまい、有給休暇を取得できる制度は整っていたとしても、職場全体が有給休暇を申請できない雰囲気となってしまうのです。

新人の頃は有給を使えない風習がある

有給を使い切ることができない5つ目の原因は、新人の頃は有給を使えない風習があるからです。職場によっては新人研修を行っている会社もありますが、新人社員に対して労働基準法や有給休暇の取得制度について説明している会社はあまり多くないようです。

また、「有給休暇を支えるのは2年目以降の社員だけ」 といった風習がある会社もあり、入社したばかりの新人社員はその風習に従わざるを得ないことから、有給休暇を使えないという会社もあります。

入社して半年が経過しており、8割以上の勤務実績があれば、新人であっても有給休暇を取得できるにもかかわらず、このような職場の風習があることによって、有給休暇をすべて使い切れなくなるのです。

有給を使い切れない時の対処法

様々な理由によって有給休暇を使い切れない場合に対して、4つの対処方法があります。

有給取得日の数ヶ月前に申請する

まず1つ目の対処方法は、有給取得日の数ヶ月前に申請することです。労働基準法では、「従業員が有給休暇を取得する前日までにその旨を申請すれば、会社は従業員に対して有給休暇を与えなければならない」と定められています。

しかし、ある程度前から仕事の段取りや、割り振りが決まっているような会社では、前日に有給休暇を申請されると、急いで仕事のスケジュールを組み直さなければならくなってしまい、会社の運営に支障をきたしてしまう場合もあります。

実際に労働基準法で「事業の正常な運営を妨げる場合は、有給休暇の取得時季を変更できる」と時季変更権が定められており、申請した有給休暇の時季を変更する権利が会社側に与えられているのです。そのため、計画的に有給休暇を消化したいと考えている場合は、有給取得日の数ヶ月前に申請することで、会社も有給休暇を認めやすくなるでしょう。

人事、上司の上司に相談する

有給を使い切れない時の2つ目の対処法は、人事、上司の上司に相談することです。直属の上司はあなたの部署のチームの仕事を管理しており、成果を出すことを求められているので、有給休暇を取得されることによって欠員が出るのを嫌がる場合があります。

そのような場合は、 人事や上司の上司である客観的に部署を見れる立場の人に相談することで、あなたの上司に対して有給休暇を認めるよう伝えてくれる可能性があるのです。直属の上司では、このような感情的な理由により有給休暇を認めていない場合もあるので、第三者に相談することで解決する場合もあります。

弁護士に相談する

有給を使い切れない時の3つ目の対処法は、弁護士に相談することです。有給休暇の取得を会社の人事や、上司の上司に相談しても解決しない場合は、外部の機関に相談しましょう。

弁護士は法律に精通しているしているので、法的な知見から有給休暇の取得を促してくれます。また、弁護士は会社との交渉も担ってくれるので、あなた自身が会社と交渉する必要もなくなり、本来の業務に専念しながら有給休暇を取得することができるようになるのです。

転職する

有給を使い切れない時の4つ目の対処法は、転職することです。 弁護士に相談して会社と交渉してもらえば、有給休暇を取得できない法的な理由でもない限り、有給休暇を取得することができるでしょう。

しかし、会社に弁護士を介入させたことで、上司や同僚と気まずくなってしまい、会社で働きづらくなるかもしれません。また、弁護士に相談して会社と交渉してもらうためには、弁護士に依頼する費用がかかってくるので、あなたにとって金銭的な負担も生じてしまいます。

これらのデメリットを受け入れてでも、今までの会社で働き続けたいのであれば良いのですが、受け入れられないのであれば転職を検討しましょう。有給休暇の取得率が高い会社を選んで転職すれば、転職先で有給休暇を使い切りながら働くことができるので、今までのような辛い思いをしなくて良くなるかもしれません。

退職前の有給も使い切って良いのか?

退職前は必ず使うべき

転職が決まったり、家庭の事情などで退職することになった場合、有給休暇を使い切ってから退職しても問題ありません。


よく、「うちは人手不足だから、退職日ギリギリまで働いてほしい」、「引っ越しがあるなら最後の3日なら休んでも良い」といった理由で有給休暇を使い切れない人もいます。

基本的には、残った有給休暇を買い取ってもらうことはできないので、今まで消化できなかった有給休暇がを捨てるのであれば、全て消化してから退職した方が良いでしょう。

有給消化を考えて退職日を決める

もし、退職日が決まっているのであれば、退職日に合わせて有給休暇を消化することが望ましいです。しかし、退職日のギリギリまで働いてほしいと言われたり、仕事の引き継ぎをするために、ある程度の日数が必要になる場合もあります。

そのような場合は、仕事のキリがよい日を退職日にするのではなく、その後の有給休暇の消化を考えて、退職日を決めるようにしましょう。

有給を使い切れない場合は有給買取をしてくれるかもしれない

有給休暇は、労働者の心身のリフレッシュを図るために設けられた制度なので、有給休暇の買い取りは本来の目的と合っていません。そのため、有給休暇の買取は基本的にはできないことになっています。

しかし、法定有給休暇を越えて有給休暇を付与している場合や、時効により消滅した有給休暇、退職により消滅する有給休暇は、特別に買取が認められているのです。 会社に有給休暇を買い取る義務はありませんが、退職する時に有給休暇を使い切れない場合は、有給休暇の買取について会社と交渉してみましょう。

まとめ

今回の記事では、有給休暇を使い切っても良いことや、有給休暇を多くの労働者が使い切れていない原因、有給休暇を使い切れない時の対処法について解説しました。

有給休暇が法律的にどのように定められているかを理解しておくことで、有給休暇を使い切るために、あなたがどのように行動すれば良いかが分かるでしょう。ここで解説した内容を参考にして、あなたが納得いくような有給休暇の取得ができるようになると良いですね。

この記事のライター

新卒で入社した会社を8ヶ月で退職しました。
経験者だからわかる退職ノウハウを書きます!

関連するキーワード


有給 使い切る

最新の投稿


仕事が苦痛で辛い…!?毎日のストレスから解放される方法!

仕事が苦痛で辛い…!?毎日のストレスから解放される方法!

仕事で苦痛を感じていませんか?仕事から大きなストレスを感じて退職してしまう人は少なくないです。ひどい場合には、仕事で受けたストレスから社会復帰できなくなってしまう人もいるほどです。この記事では仕事が苦痛だと感じてしまう理由と対処法を紹介していきます。


飲食店はブラック?辞めたい時はどうする?転職先の探し方!

飲食店はブラック?辞めたい時はどうする?転職先の探し方!

「働いている飲食店がブラックすぎて辞めたい…」と考えている人は少なくないでしょう。飲食業界はブラックで有名です。この記事では、飲食店の仕事がブラックになりやすい理由とホワイトな飲食店の選び方を紹介していきます。


社会人は弁当を作るべき!?男でも作れる?簡単レシピ7選!

社会人は弁当を作るべき!?男でも作れる?簡単レシピ7選!

社会人はお弁当を作るべきなのでしょうか?お弁当を作るメリットって何なのでしょうか?仕事で疲れていてお弁当なんて作れない…そんな人も多いかもしれません。でも思っているよりも簡単なんです!男でも作れる簡単レシピでお弁当デビューしてみませんか!?


公務員の仕事がブラックすぎて辞めたい…転職はできるの!?

公務員の仕事がブラックすぎて辞めたい…転職はできるの!?

公務員はブラックなのか?サービス残業、厳しい上下関係などのように公務員の仕事が辛いという声をよく聞きます。将来的なことを考えて転職を検討している人も少なくないでしょう。この記事では、公務員の仕事がブラックだと言われる理由と公務員の転職について説明していきます。


仕事の辞めどきはいつ!?円満退社できる時期とNGな時期!

仕事の辞めどきはいつ!?円満退社できる時期とNGな時期!

仕事を辞めることが決定したら、次は辞めどきはいつなのか考えるでしょう。基本的には、退職することは労働者の権利であるため、自分次第となります。ただし、円満退社を望むのであれば、会社にとっても良いタイミングであることが求められます。この記事では、理想の辞めどきを紹介しています。