パワハラ上司には仕返しをしても良い?リスクと正しい対処法

パワハラ上司には仕返しをしても良い?リスクと正しい対処法

「パワハラ上司のせいで仕事に行きたくない!」このように感じている人は少なくないでしょう。パワハラ上司への苛立ちから仕返しをしたくなりますが、会社からの評価や同僚からの目線を考えると行動できないですよね。この記事では、正しい対処法を紹介していきます。


指導と言いつつ、度を過ぎた叱責をされる。仕事と関係のないことで罵倒され、嫌がらせをされる。

このようなパワハラが続くと、怒りや悔しさがどんどんたまっていきます。

「いつか仕返ししてやる・・・」と思う人もいるのではないでしょうか? 

ところが、パワハラに対して個人的な方法で仕返しをすることにはリスクが伴います。

この記事では、パワハラに対して仕返しをするリスクと、正しい対処法について説明していきます。

パワハラ上司へ仕返ししたい…

パワハラ上司へ仕返しできたら、鬱憤が晴れるような気がしますよね。

はたして、パワハラ上司に仕返しするのは正しい対処法なのでしょうか?

パワハラとは?

パワハラの意味は以下の通りとなります。

パワハラとは「パワーハラスメント」の略です。「パワー」(権力)+「ハラスメント」(いやがらせ)が組み合わさった言葉で、権力的な地位を用いたいじめ、いやがらせ、迷惑行為、侮蔑、差別などをひっくるめていいます。

厚生労働省は、パワハラを以下のように定義しています。

同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える、または職場環境を悪化させる行為をいう。

パワハラには様々なタイプがありますが、いずれも受ける側に精神的苦痛をもたらし、時には心身を病んでしまうこともあります。

パワハラの仕返しは逆効果なのか?

パワハラを受けると、人格を踏みにじられた悔しさから「仕返しをしたい」「復讐してやりたい」といった思いに駆られるかもしれません。

確かに、パワハラ上司に対して仕返しをして、パワハラ上司が痛い目に合うのを見たら、一時的にストレス発散になってすっきりするかもしれません。

けれども、パワハラへの対処法として、仕返しは逆効果のことが多いといえます。

なぜ、逆効果なのかを説明する前に、上司がパワハラに走る理由を見てみましょう。

上司がパワハラをする理由

上司はなぜパワハラに走るのでしょうか?5つの理由を見てみましょう。

上司のストレスのはけ口

1つ目は、「ストレスのはけ口」として部下にあたることです。

背景には会社の職場環境が大きくかかわっています。人材不足によって社員の負担が増えると、部下をまとめる責任を持つ管理者である上司の負担も大きくなります。責任を問われるのは上司であり、上司は常に仕事にストレスを抱えるようになります。そのストレスのはけ口として、家庭や職場にいる自分より立場の低い人間が選ばれるのです。

あるいは、家庭で自己肯定感を得られない人は、会社で部下につらく当たることで、自分の権威や存在意義を確認しようとします。子供だった時に親に厳しくされたり、褒められた経験が少なかったことでコンプレックスを持ち、会社でパワハラ上司と化してしまうケースもあります。

弱い者いじめ

パワハラ上司は地位の優位性を使って、部下をいじめたり、嫌がらせをしたりします。このように弱い者いじめに走る背景には、「地位が高い者が偉い」という間違った価値観が存在します。

本来、上司と部下は、立場は違えど同じ人間です。立場上の役割が違うだけで、管理者や責任者だからといって、人格を否定する権利まで持っているわけがありません。

しかし、「地位が高い者が偉い」「成績が良い者が偉い」という縦社会的価値観を持っている人が上司という地位に着くと、「自分は偉いんだ。部下に何を言ってもいいんだ」と勘違いしてしまうのです。

時には「お前はでぶだな」「お前みたいなやつは嫌いだ」といった人格を否定する言葉まで吐く上司もいます。

部下の出世を妨げるため

パワハラを行うのは、ほとんどが「上司」です。「なぜパワハラなんて働くのに上司でいられるんだろう」と疑問に感じたことはありませんか? 理由は、パワハラを行う上司は、上の立場の人間から高評価を得ることがうまいからです。

パワハラ上司は自分の存在意義を「地位の高さ」によって確認します。地位は何が何でも守るべきものなので、パワハラ上司の生き方は保身的です。保身的な上司は「自分の立場を危うくする可能性のある部下」を潰しにかかります。

パワハラ上司にとって、部下が自分の地位を脅かす存在であってはなりません。特に優秀な部下が出てくると、自分の地位を守ろうとしてパワハラに走るのです。

部下が自分の思うようにいかなくて腹が立つ

成果主義によって会社から成果を求められるプレッシャーから、パワハラに走る上司もいます。

少子化が進む中、人材不足に悩む企業は社員に高い成果を求めます。上司は成果を挙げて会社から認められたい一心で仕事に打ち込むのですが、その際に部下を自分の手足のように考えてしまいます。

こう考えている上司は、部下が自分の思う通りに動かないと、その部下に対して腹を立てます。暴言や暴力で部下を支配し、なんとかして目標を達成させようとします。

 

また、「成績が上がらないのはあいつのせいだ」「あいつにはいつも迷惑ばかりかけられている」といった被害者意識から部下を怒鳴りつける上司もいます。

上司のパワハラへの仕返しをするリスク

上司がパワハラに走る理由を見てきました。上記でわかるように、パワハラは価値観や職場環境から生まれてくる行為です。そのため、上司への感情的な仕返しは効果が薄いばかりか、リスクを伴います。

パワハラがエスカレートする

仕返しをすることによって、パワハラがエスカレートする可能性は十分にあります。

パワハラを上層部に報告したら、むしろパワハラが強まった、というケースもあります。パワハラ上司は自分が悪いと思っていないので、立場が下の者から何を言われても反省できません。むしろ「立場が下の人間が生意気な」と逆上する上司の方が多いでしょう。

場合によっては、権力に物を言わせて社員の仕事量を勝手に増やしたり、あるいはまったく仕事を与えなかったり、報復人事などの手段に出るかもしれません。

会社からの評価を下げられる

パワハラの下にいる人は精神的に追い詰められており、正常な判断力を保つのが難しい状況です。そのような状況で仕返しをすると、ともすれば感情的に昂って度が過ぎてしまい、二次災害となる可能性もあります。

正当防衛が過剰正当防衛になると、自分が受けていた被害の立証が複雑になり、自分も責任を問われる事態に陥ります。会社は問題を拡大したあなたへの評価も下げるでしょう。

あるいは、暴言に対して暴言で対応した場合、その暴言を上司に報告されて、一方的にあなたが悪いことにされてしまう可能性もあります。

同僚からめんどくさい人だと勘違いされる

パワハラ上司の立ち居振る舞いに困っているのはあなただけではありません。周りの同僚も迷惑を感じながら日々過ごしています。あなたがパワハラを受けているのを見て、かわいそうに思っているでしょう。

同僚は決してあなたの敵ではありませんが、かといって積極的に助けてくれるかというと、そうでもありません。パワハラ上司の機嫌を損ねれば、今度は自分が標的にされるかもしれません。「臭いものにふた」という日本の風潮は根強く、できれば関わりたくないのが本音ではないでしょうか。

パワハラ上司に反撃して逆恨みを買い、周囲にまで被害が及ぶのであれば、同僚はとばっちりを受けることになります。「おとなしくしていればそんなことにならないのに」とあなたまで面倒くさい人だと思われるかもしれません。

上司からのパワハラへの正しい対処

では、上司からパワハラを受けたら黙って耐えるしかないのでしょうか。

そんなことはありません。パワハラを一人で抱え込むのは危険です。パワハラが長引くと心身に支障をきたすため、すぐに対処する必要があります。

近年、自殺した原因はパワハラだったと家族が会社に訴えるケースが増えてきています。最悪の事態になる前に、第三者の力を借りましょう。

そこで、パワハラを受けた時の相談先について見ていきます。

人事に相談する

まず、1つ目の相談先として、会社の人事部が挙げられます。会社によっては、相談窓口を設けているところもあります。

ただし、ここで注意したいのは、人事部はあくまで会社の機関だということです。会社は基本的に会社の利益やバランスを考えて動くことが多く、できれば波風を立てたくないと思っているのが現実でしょう。あなた一人の相談によっていきなり上司が異動や解雇になることはあまり考えられず、上司に対して「厳重注意」がなされて終わるケースもあります。

厳重注意によって上司の態度が和らげばいいですが、そもそもパワハラをする上司は自分への評価に敏感です。そのような処置を受ければ、逆上して今後プレッシャーが増す可能性もあります。

人事部に動いてもらうには、パワハラ上司個人への処罰を求めても根本的な解決にはならないので、パワハラが会社に不利益をもたらしているという視点で訴えると効果的です。

パワハラによって業務が進んでいないことや、部下のミスが増加していること、生産性が落ちていることなど、会社のデメリットとなっている客観的な事実をまとめて訴えましょう。

上司の上司に相談する

次に、課長がパワハラを行っていれば部長に相談する、というように、上司の上司に相談するという手もあります。

この場合、問題となるのは人事部に相談したケースと同じく、「パワハラ上司に相談内容を知られる」ということです。相談の結果がパワハラ上司への注意のみで終わった場合、やはり怖いのはパワハラの増長や報復です。そのような可能性をちゃんと考慮した上で動かなければなりません。

外部機関に相談する

社内では解決が難しい場合、外部機関に相談するのが最も有効です。

労働組合(ユニオンとも呼ばれる)に加入している場合、労働組合を通して会社に団体交渉を持ちかけることができます。団体交渉権は憲法と労働組合法で保証されており、会社はこれを拒否できません。また、会社は労働者が労働組合に加入したり活動したことを理由に、労働者を解雇したり、嫌がらせを行ってはいけないという決まりもあります。

団体交渉であれば、1人で戦わず、労働組合の担当者が第三者として介入してくれます。

団体交渉によって問題が解決した場合、協定書・合意書という文書を交わします。その中には、「今後職場でどのようにパワハラ問題を改善していくか」といった取り組み事項を盛り込むことができ、労働組合による継続的なチェックも可能です。

パワハラの当事者同士の問題だけでなく、環境そのものへのアプローチができるという点で、パワハラへの効果的な対処法といえるでしょう。

パワハラ行為を裁判で訴える

弁護士に依頼して、裁判で訴えるというものがあります。ただし、これはあくまで最終手段です。

裁判には問題に白黒をつけることができるというメリットがありますが、費用や時間がかかるなど、デメリットも多々存在します。裁判中に双方が相手を批判し合う中で溝が深まり、いざ裁判が終わって職場に戻ったとしても、職場の雰囲気が悪く、関係者に大きな精神的負担がつきまとうことも十分ありえます。

裁判はあくまで最終手段として、まずはそれ以外の方法での解決を模索しましょう。

転職する

上記のような様々な対処法を検討・実施した上で、なおパワハラがやまないのであれば、転職を検討するべきかもしれません。「上司の方に問題があるのに、なぜ自分が辞めなければならないのか」と思うかもしれませんが、長くその環境にとどまると、あなたの心身が追い詰められてしまいます。

どんなに正当な理由であったとしても、社内環境を変えるのは難しく、努力に比例した結果が得られるとは限りません。あなたのことを認めてくれる新しい環境に飛び込むことで、自信が回復し、生活を立て直すことができます。

パワハラ上司の存在自体から遠ざかることにより、想像していた以上の解放感とやる気を感じることができるでしょう。

時間はパワハラを解決してくれない

「我慢していればいつかはやむだろう」と期待してはいけません。

平成28年度の厚生労働省の庁舎では、「パワハラを受けても何もしなかった」という回答が40.9%と最も多くなっています。しかし、時間がパワハラを解決してくれると思うのは大間違いです。

パワハラを我慢していることには、以下の2つのリスクが伴います。

パワハラをしても抵抗しないと思われる

パワハラ上司は「相手の気持ちになって考える」ということができないので、こちらが我慢している限り、パワハラを辞めることはありません。むしろ、自分がパワハラをしていることにすら気づかず、無抵抗なあなたに対する行為がエスカレートしていく可能性があります。

我慢しすぎるとうつ病になるリスク

パワハラは心身症につながります。体に不調が出れば、それは心にもダメージが来ているサインです。

パワハラを受けている人は、「自分がもっと頑張ればいいんだ」「ちょっと疲れているだけだ」と思ってしまい、自分で心の不調に気づくのは難しいものがあります。

以下のような症状が出ているかどうかチェックしてみましょう。

 

・身体面・・・疲れが取れない、動悸やめまいがする、頭痛、不眠、食欲不振、下痢などの症状が出ている等。

・精神面・・・気持ちが落ち込む、不安で気持ちが落ち着かない、いらいらする、怒りっぽくなる、幻聴等。

・生活面・・・生活の乱れ、ミスが増える、遅刻が増える、お酒の量が増える、ひきこもり、自傷行為。

 

このような症状が出ていれば、かなりダメージが蓄積してきている証拠です。これを放置すると、うつ病等さらに深刻な症状に発展するリスクがあります。半年~1年、場合によってはもっと長期間、会社に通えず、生産的な生活ができないことにもなりかねません。

このような事態に陥らないためにも、パワハラには早期の対応が必要なのです。

まとめ

以上、パワハラに対して仕返しをするリスクと、正しい対処法について見てきました。

個人的な仕返しはリスクが高く、さらなる報復を引き起こしかねません。また、社内で解決するのもかなり難しいと考えるべきです。

有効なのは外部機関の手を借りることです。団体交渉となれば、「自分1人で戦わなくていいんだ」という安心感もあります。また、会社に具体的な改善策を実施することを要求でき、職場環境の変化も期待できます。

そして、まずはパワハラを受けていることを誰かに相談すること。一人で抱え込むことで、病気になってしまう可能性も十分あります。

あなたの人生を台無しにしないためにも、勇気をもって相談し、パワハラへの対処の一歩を踏み出しましょう。

この記事のライター

新卒で入社した会社を8ヶ月で退職しました。
経験者だからわかる退職ノウハウを書きます!

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