1 残業100時間超えてしまったらどうなるの?

結論から述べると、一つの答えは存在しません。なぜなら、法律上の問題や会社の状況によって対応が異なるからです。具体的には、後程説明しますが、36協定や特別条項付き36条項などによって罰せられる場合と罰せられない場合に分けられます。
もし社員に残業時間100時間以上働かせた場合には、6ヶ月以内の懲役または30万円以下の罰金が代表取締役および社長に課されます。皆さんはこの数字に対してどういったイメージを抱くでしょうか?明らかに軽い懲罰ですよね。しかしながら、この罰も実際に課される場合はほとんどありません。なぜなら、労働基準監督署は企業が忠実に労働基準法を守っているかどうかは過労死などの問題が起こった後でないと徹底的に調べたりすることはほとんど少ないからです。
■・36協定とは?恐ろしいポイントが多い!?
労働基準法では、8時間以上働かせた場合ではどんな場合においても罰が課されます。たとえ、一秒のみ過ぎた場合でもです。しかしながら、36協定を会社が労働組合や労働者代表を結ぶことで残業が可能になります。ただし、36協定を結んだとしても100時間以上残業させれば、罰が課されます。しかしながら、会社側にはこの場合においても抜け道が存在します。
■・特別条項付き36協定こそ会社の残業時間を増やしている!
特別条項付き36協定を結べば、一気に残業時間が変化するようになります。皆さんも御存知のことであるかもしれませんが、通常の36協定では一日に延長できる労働時間は14時間であり、一年間の残業時間は320時間までで一ヶ月の残業時間は42時間までとなっています。それが、特別条項付き36条項を結べば、年六回は月90時間以下の残業が可能となります。さらに、一年に720時間まで残業することが可能となります。
2 公務員でも残業100時間超えれば同じように扱われる?

もちろん公務員でも同じように労働基準法に反すれば罰せられます。公務員の残業実態としては、公務員は定時に出社し、定時に退社できるというのが一般的なイメージであるかもしれませんが、総務省によればここ数年、民間の企業の残業時間の平均よりも公務員の平均残業時間が上回っているという情報があります。さらに、国家公務員であれば地方公務員に比べて約100時間も年間で残業時間が高いです。さらに、公務員の中でも業種に分けて考えてみると、教師、警察官、消防士、自衛隊などは緊急の仕事が多いために他の業種よりは圧倒的に残業時間が多いです。また、公務員における文化として、年功序列が古くから強いために上司からのパワハラなどが理由で転職を考える方も多くいらっしゃいます。
3 残業100時間を超えるのは世間では一般的なのか?

今の日本の月平均残業時間は47時間となっています。しかしながら、年代や性別や業種によって大きく差が出るためにあくまで平均として考えた方が良いでしょう。具体的には、女性はパート勤務などの非正規雇用として働いている方が多いために、平均時間は40時間ほどとなっています。さらに、最も残業時間が多いとされているのは30代の年収1000万超えのサラリーマンです。ちなみに、月平均の残業時間は約80時間となっています。
■・残業が多い業種とは?残業時間が長い業種まとめ
残業時間の多い業種
・ゲームおよびアプリ開発
・インターネット、広告、メディアの営業職
・コンサルタント
残業時間の多い業種は上記のようになっています。ゲーム開発やアプリ開発は、スピードも必要でありかつ時間をかけざるを得ない場合が非常に多いということが大きな要因となっています。また、営業職は営業はとればとっただけ自分の成果につながるという特徴が強いために、同僚との競争などに勝つためにも昼間は営業に駆け回って、夜に残業をして残った仕事をこなすという傾向があります。また、コンサルタントは調査活動などにコミットすればするほど良い結果を得られる可能性が高いということは分かりますよね?そのため、残業時間など気にせず、できる限りのことをやり遂げるという考えの会社が多いために残業時間が多くなってしまっています。
4 残業100時間超えれば退職すべき?

残業時間が100時間超えれば退職すべきだとは一概には言えません。あなたがいくら残業しても今の仕事に満足しているのであれば退職する必要は全くないと思います。しかしながら、残業が辛く、今の仕事にもあまり満足していない方は転職を一つの選択肢として考えた方が良いかもしれません。ただ、すぐに転職を決断することはお勧めしません。なぜなら、転職をして後悔している方が近年急激に増えているからです。だからこそ、自分自身とよく向き合ってから考えてみてください。
5 まとめ
労働基準法ほど守られていない法律は存在しないと言っても過言ではないですよね。実際に働いている会社員の方、もしくは公務員の方でさえも実感することが多いと思います。今後、働き方改革の動向も気になっていきますが、自分自身の健康や働き方は自分で管理することも重要です。そのため、情報収集を行ったり、異なる職場の友人等に相談するなどして自分の働き方について今一度振り返ってみてはいかがでしょうか?今回の記事が皆さんのお役に立てれば幸いです。
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日本一の資格マニアを目指して日々資格勉強に励んでいます!少しでも記事を読んで下さったら嬉しいです。