少額訴訟とは?手軽に裁判を行える?メリットとデメリット!

少額訴訟とは?手軽に裁判を行える?メリットとデメリット!

少額訴訟についてご存知ですか?裁判を行うのを高額だったり、時間がかかってしまうことを理由に諦めてしまっていませんか?少額訴訟の知識があれば、そのような悩みを解決することができるかもしれません。この記事では、少額訴訟についてメリットやデメリットを含め説明していきまう。


訴訟の種類の一つで少額訴訟というものを聞いたことがありますか?
その名称からして、少額の費用で行うことができる裁判というイメージがあります。
しかし、少額訴訟について良く知っている人はそれほど多くないのではないでしょうか?

そこで今回は、少額訴訟についてのルールや少額訴訟を使った場合のメリット・デメリットなどを紹介します。

少額訴訟とは

そもそも少額訴訟とはどういうものなのでしょうか?

少額訴訟とは、簡易裁判所が扱う訴訟のことで一般的な訴訟に比べて裁判にかかる時間が短く、手軽に裁判所を利用するための訴訟方法です。金銭の請求などあまり重大ではない案件を取り扱っています。

少額訴訟の内容

少額訴訟のルールや案件などの具体的な内容を紹介します。

(1)少額訴訟のルール

少額訴訟の主なルールには以下の5つがあります。

審理は一回

通常訴訟では三審制があり、判決に不服がある場合は何度も審理をすることが可能ですが、少額訴訟の審理は一回のみで、裁判は一日で終わります。

裁判は費用と時間がかかるものというイメージがありますが、少額訴訟は審理が一回のみである分、費用も時間も通常裁判より少なく済むのです。

60万円以下の金銭請求でのみ利用できる

少額訴訟で扱える案件は、60万円以下の金銭請求のみという規定があります。金銭請求以外の案件や、金銭請求でも60万円を超えるものは、通常訴訟になってしまいます。

少額訴訟が一回の審理で簡単に判決を出すことができるので、扱える案件も少額訴訟で十分裁判ができる案件しか認められていないのです。少額訴訟をしようとする際は、自分の案件が少額訴訟で扱える案件か確かめてみましょう。

異議申立ができる

少額訴訟では審理は一回のみであると説明しましたが、判決に不服がある場合は異議申立をすることができます。少額訴訟で異議申立をしたときは、控訴することが認められていないので、通常訴訟に移ることになります。少額訴訟後の異議申立で通常訴訟を行うことなったときは、通常訴訟の審理は一回のみで判決が下ります。

訴訟途中で和解が認められる

審理が一回のみであるので、訴訟の途中でも話し合いによって案件を解決し、和解することができます。少額訴訟では、原告側が勝訴することがほとんどであるので、話し合いによって和解することも多いのです。

判決内容や和解内容により、強制執行を申し立てることができる

判決や和解で決まった内容に基づいて裁判所は強制執行をする権利を持っているため、裁番所に強制執行を申し立てることができます。これにより、未払の賃金や貸金をを強制的に返金させることができるのです。

(2)よく扱われる訴訟内容

少額訴訟でよく争われる訴訟内容にはどのようなものがあるのでしょうか?
主な三つの案件を紹介します。

貸金返還請求

貸金返還請求は、貸したお金の返金を請求することです。個人のやり取りで貸金が返ってこないというトラブルの場合は、裁判を起こすまでもないと考える人も多いでしょう。そんなときにに少額訴訟を行えば手軽に短期間でトラブルを解決することができます。

未払い給与の請求

給与や残業代、退職金などが未払いになっている場合は、従業員は会社に対して訴訟を起こすことができます。退職後に未払いの賃金がある場合は、裁判を起こしたくても転職活動で時間と費用がないということもあります。そんなときに手軽な少額訴訟にすれば、転職活動を行いながら未払いの賃金を請求することができます。

損害賠償金の請求

比較的小さな事件の損害賠償金であれば、少額訴訟で請求することができます。額が小さな損害賠償金請求の場合裁判を起こしたほうが費用がかかってしまう場合もあるので、そのときには通常訴訟ではなく、少額訴訟にするのをおすすめします。

少額訴訟のメリット・デメリット

少額訴訟には、利用するメリットとデメリットがあるので両方を確認してみましょう。

(1)メリット

手続きが簡単にできる

まず、少額訴訟をするための手続きは、通常訴訟に比べてとても簡単です。通常訴訟では弁護士を雇わないととても一人では裁判で戦うことができない場合がありますが、少額訴訟は自身で書類を用意して審理の準備をすることが十分にできます。

審理が一回のみ

先にも述べたように審理が一回のみであるのは、少額訴訟の大きなメリットと言えます。審理をするには、事前にたくさんの準備が必要です。つまり、審理が少ないほど裁判にかかる期間や費用が大幅に少なくなるのです。

また、少額訴訟は審理は一日でその日のうちに判決を出すということを定めているために裁判期間がとても短いです。

費用が少ない

少額訴訟にかかる費用は印紙代と切手代のみです。印紙代は請求する金額によって異なります。

通常訴訟の場合は、印紙代や切手代などの裁判費用に加えて、弁護士をつけるのがほとんどであるため、弁護士費用が必要になります。弁護士費用は相談料や着手金、報酬金など様々な費用がかかるため、総額にすると大きな負担となります。

したがって、少額訴訟のほうが費用がかなり少ないことがわかります。

(2)デメリット

年間で回数制限がある

少額訴訟を起こすことができる回数は、年間で10回までという回数制限があります。年間で10回も訴訟を起こすことはないと思う人も多いと思いますが、この回数は判決が出た回数ではなく、少額訴訟によって審理を裁判所に求めた回数であるので、判決がでなくても一回にカウントされたり、少額訴訟で一回の審理の後に異議申立てをして通常訴訟に移った場合には二回少額訴訟を行ったことになり、一つの案件で回数を重ねてしまうこともあります。

また、個人で訴訟を起こす回数は少ないと思いますが、ビジネス上金銭の請求をしなければならない場合などには、一年に十回以上金銭請求を行う場合もあるので少額訴訟に回数制限があると少し利用しにくいかもしれません。

公示送達ができない

公示送達とは、裁判所が訴状を裁判所の掲示板に一定期間貼りだして被告に訴えがあることを知らせるためのものです。通常は、原告が提訴した後に裁判所に訴訟が受理されると、訴状が被告に送付されます。しかし、被告が行方不明になった場合などに公示送達をすることで訴状を送達したことになります。

被告はこの公示送達を自身で見ないと訴えられていることも知ることができませんが、公示送達では被告に訴状が送達されたとみなしているので裁判は被告が参加しないままに進みます。そして裁判当日まで被告が訴状に気づかず、裁判に出席しなかった場合は被告が原告の言う通りの事実を認めたものとして判決がくだされます。

少額訴訟では、この公示送達が認められていません。少額訴訟は審理が一回のみで異議申立ができる期間にも制限があり、公示送達に被告が気づかなかった場合とても不利になってしまうため、もし公示送達が必要な場合は通常訴訟に移行されます。

少額訴訟で裁判が終わらないこともある

少額訴訟は審理が一回のみで、短期間で裁判が終わることがメリットであると説明しましたが、異議申立てがあれば通常訴訟に移り、裁判が長引いてしまいます。

簡単に裁判をしようと考えて少額訴訟を行っても、一回の審理でトラブルを解決できない場合もあります。

少額訴訟の流れ

少額訴訟を行うときの流れを紹介します。

提訴

まず最初に、訴状と証拠書類に必要な収入印紙と切手を貼って提出し、提訴します。このときに提訴する裁判所は、被告の住所を管轄している簡易裁判所です。

準備

訴状を提出し、裁判所に訴訟が受理されると、次に裁判所と口頭弁論期日を決定します。このときに、裁判の手続きをします。また、口頭弁論期日までに書記官とやり取りをして、主張内容や証拠を準備していきます。

答弁書が送られてくる

被告が答弁書や証拠を裁判所に提出すると、その副本が送られてきます。裁判当日に反論できるようによく読んで準備しておきましょう。

口頭弁論日

口頭弁論日には、裁判所に行って審理が行われます。審理では原告と被告の主張を話し、提出した書類や証拠を確認していきます。また、裁判官が和解のほうがリスクがないと判断したときには、審理の途中に裁判官の指示によって和解が成立する場合もあります。

審理が終わるとほとんどの場合はその日に判決が言い渡されます。

異議申し立て

判決に不服がある場合は、異議申立てをして同じ簡易裁判所で通常訴訟に移ります。

少額訴訟の際に起こり得るトラブル

少額訴訟を行うときには、いくつかのトラブルが起こる可能性があります。

通常訴訟に移行する可能性がある

先にも述べたように、少額訴訟の一回の審理の後、判決に異議申立てがあれば、通常祖訴訟に移行します。また、この場合の通常訴訟は、少額訴訟の異議申立による訴訟なので、審理が一回のみであったりと一般的な通常訴訟と少し異なります。

取り立てができない可能性がある

判決によっては、裁判の目的である金銭の請求ができない場合があります。絶対に勝訴する自信がある場合は判決を待ってもいいですが、和解で金銭を請求できる場合には和解をする方がリスクが少ない可能性もあります。

まとめ

いかがでしたか?

少額訴訟は、通常訴訟よりも簡単で手軽に行うことができる分、制限も多い裁判でした。まず、扱える案件に制限があったり、控訴することができないことなど気を付けなければいけないことがたくさんあります。

したがって、少額訴訟をしようと考えたときには、自身のトラブルが少額訴訟で解決できるものか事前に考えておきましょう。

この記事のライター

新卒で入社した会社を8ヶ月で退職しました。
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